本文へ移動

施設長のひとりごと

施設長のひとりごと

RSS(別ウィンドウで開きます) 

17年の軌跡

2024-03-24
 私がばんざいを開設したのは平成19年5月です。あれから丸17年が過ぎました。その開設時からご入居いただいていたkさん。気が強くて、お酒が大好きな女性でした。ご入居当初は、Kさんもまだお若く、活気もやる気も満々でした。気の合わない他のご利用者とは、よくケンカもされていて、私と主任で何度仲裁に入ったか分かりません・・・(^^;
ちょうど開設した2ケ月前に長男を出産した私は、毎日、子連れで仕事をしていました。首も座らない息子を、「あ、電話!!Kさん、ちょっと抱っこしてて下さい」なんて言いながら、一緒に過ごしてきました。
 そんなKさんともついにお別れに日がきました。これまでもたくさんの方々と、ここでお別れをしてきましたが、「Kさんとのお別れは、きっとひどく喪失感に苛まれるだろうな・・・」と心の中でいつも思っていましたが、やはり、ばんざいからお身体が出て行く時には涙が止まりませんでした。Kさんのご家族も含め、私にとっては一番最初のお客様であり、家族同然の存在でしたので、家に帰って息子にKさんのご逝去を伝え、家族みんなで手を合わせました。
 Kさん!!17年間、色々な事がありましたね。いつも気持ちが強く、最期までKさんらしかったよ!長い時間、私たちばんざいと共に過ごして下さり、心から感謝します。ありがとうございました。
 

ここよ~

2024-03-20
 お看取りの同意を頂いたご利用者の方が、先日ご逝去されました。血圧が下がって、呼吸が浅くなってきて、「あぁ、今日かな・・。もうすぐかな・・」と、ご家族に連絡を入れる日々。そんな日がしばらく続きました。細く、長く頑張ってくださったFさん。最後の方は呼んでも目が開かず、反応も薄くなっておられました。
 耳だけは最後の最期まで聞こえていると、よく言われます。いつも音楽やテレビをかけたり、足しげく通っては話しかけるスタッフ。反応は薄いけど、何かしらのアクションはやめません。そん中、毎日、毎回、Fさんの部屋に行っては「Fさ~ん。ここよ~。」と瞼を開いて(^^;目を合わせる努力をしていた主任。普段から関りが密で、ご利用者さまとは、だいたいどなたとでも仲良しで、もちろんFさんと大の仲良しでした(認知症でしたので、名前や存在の認識こそありませんが、いつも笑って会話が弾んでいました)
 最期の最期まで、本当に声をかけ続けてくれたスタッフですが、なかなか目は開きません。それでも不思議と、主任とスタッフOさんの声にだけは反応されました。「いつもの人の声だな・・・( *´艸`)」とでも感じて下さっていたのでしょうか。
 主任の「ここよ~」の声が、今でも耳に残って離れません(* ´艸`)クスクス

人 vs 機械

2024-02-22
 佐賀県先進機器導入事業という補助金を受け、この度、見守りセンサーを導入しました。これは、スタッフが居室を巡回する回数を減らし、介護負担の軽減につなげるものです。先進機器とあって、素晴らしい機能がついており、背中に敷き込むことで呼吸数や心拍数、眠りの深さを常時測定してくれます。そして、眠りが浅くなってきたら、設定によってアラームでベッド上の体位や、ベッドから起き上がったことを知らせてくれます。危険のご理解が乏しくなられた方がベッドから転落したり、またはお看取り期の方の状態を手元のタブレットで確認できる代物なのです。
 現在、お看取りの方にはこのセンサーを仕込んでいます。が、なんせうちのスタッフ、殆どが昭和の強者たち。「機械げな、信じられん。自分の目で見らんと!!(機械など、信じられない。自分の目で見ないと!!)」と、今でも足しげくお部屋に覗きに行く始末(^^; 実は私もそれ派ですが・・・。
 ある日、長く長く、本当に長くばんざいにご入居いただいていたアイ子さんの最期の日を迎えました。もちろん、この方にもベッドセンサーを敷き込んではいましたが、朝でもあり、私も含め、すでに数名のスタッフが居室に駆け込んでいました。そして、”あ、もう最期です・・・”と、アイ子さんを抱いたようにして「アイ子さん、息子さんも来られるよ。もう少しだけがんばれる?」「今までよくがんばったね」と懸命に声をかけていた主任が最期の呼吸を確認しました。仕事に行かれていたご家族は、すぐには駆け付けられず、最期の瞬間には立ち会えませんでしたが、アイ子さんは主任と私の腕の中で、私たちの声を聞きながらお別れされました。
 ご家族が「最期には間にあえなかったけど、施設長さんたちが傍にいてくれたから、母も安心して逝けたと思います」と言って下さいました。
 つくづく、人の手の温もりの大切さ、人の目の正確さを感じました。先進機器は、あくまでも私たち人間の補助的役割です。便利ではあるけれど、やはり人間に勝るものではないと思っています。
 そして今日も、足しげく各居室を巡回する、日勤、夜勤のスタッフのみんなよ、あなた達の目や手に感謝です(ノД`)・゜・。
 15年間もの間、ばんざいでお過ごしいただいたアイ子さん、一緒に支えて下さったご家族様、ばんざいでの日々に心より感謝いたします。

強すぎる不安に与える、一瞬の安心

2024-01-31
 長くお住まいいただいている、とある女性のご利用者がおられます。この方、とにかくいつも、何かにつけ不安でいっぱい。入居されたころは、今日が何月何日で、朝食は何時で、昼食は何時で、夕食は何時で、明日の朝は起こして欲しい・・・このような日時についての訴え?お願い?質問?を、とにかく目に付くスタッフには、あちらのスタッフにもこちらのスタフにも聞いて回っておられました。年々、不安な内容は変化しており、今はもっぱら「この服でいい?」かが心配のご様子。大袈裟でもなんでもなく、一日に何百回「この服でいい?」と、行き交うスタッフに尋ねて回っておられます。「この服でいい?」「いいですよ」この会話、スタッフは寝言でも言ってるんじゃないかと思うほど、毎日毎日、当たり前に交わされているわけです。
 先日、うちの主任がこの方に「ねぇねぇYさん。私、この服でいい?」と尋ねてみたそうです。すると、この方は「知るもんね。自分がいいと思う服を着たらいいやんね。(知らないよ。自分がいいと思う服を着たらいいじゃない)」と返されたそうです。認知症の診断がでているこの方、他人に対してはすごく真っ当なご判断ができておられます。そうなんです。その通りなのです。自分がいいと思う服を着ればいいのです。でも、ひとたび自分の中で不安のスイッチが入ったら、もう止まりません。
 認知症と一言で言いますが、私の中では到底一言では表したくない病気です。病気と捉えてしまうと、なんだか大層良くない状態に聞こえるので、なるべく私は「認知症」という言い方で表現しないようにしています。Yさんで言うと「不安の強すぎる方」かな(^^;
 今日もまた、この服でいいか、このズボンでいいか、不安で仕方ないYさんに決して「知るもんね!」とは言わず「大丈夫よ」「それでいいよ」と返事をし、その一瞬でも「この服でいいんだ!!」と安心を与えてあげるスタッフに「何百回も、同じやり取りを、ありがとうね」と心の中で感謝したところでした。

私たちの健康は、ばんざいの健康

2024-01-26
 実は、最近ちょっと体調がすぐれない日々が続いていました。毎年受ける健康診断では、必ず決まって同じ項目に精密検査がついていながらも「またか・・・」と横目でスルー。私は、風邪すら引かない強靭な体の持ち主だ!!と自分自身に言い聞かせていただけなのかも・・・です(-_-;)
 ある日、数メートル歩くだけでも、足がちぎれるかと思うくらい痛いし、家に帰れば”気絶してた??”と思うほど、すぐにソファにバタンキューで寝ていました。その体の異変に気付き、さすがに受診を決心しました。
 受診して、血液検査を受けましたが、結果を見ながら先生が「よくこんな状態で普通に起きて仕事に行ってるね。普通なら起き上がる事さえできないよ」と、びっくりされていました(^^;気合ってスゴイですね。
 こんな話をうちの主任にしていたら、それはそれはひどく叱られまして・・・「人様の体をどうこう言ってる場合ではない!!自分が健康でもないのに、人様の健康を、どうお世話するんですか!!」と、全くその通りな事を言われ、猛省しました(。-人-。) そういえば、主任も定期的に検査とお薬の処方を受けてるし、看護師Oさんも、整形や内科受診してますね。他のスタッフも、自分メンテに勤しんでいます。
 皆さまをお世話するうえで、私が、スタッフが、健康であることが、まずは大事な条件ですね。ある日、ご面談時に、N様のご家族様とこの話になり、それはそれは大層私の体を心配してくださっていました。痛み入ります・・・。そして、元気に頑張ることをここに誓います!!( `ー´)ノ
 
施設長のひとりごと
ケア付有料老人ホーム ばんざい
〒841-0073
佐賀県鳥栖市江島3388-1
TEL.0942-83-2286
FAX.0942-84-4506
0
2
0
3
2
2
TOPへ戻る