施設長のひとりごと
病気との向き合い方
2024-04-20
ご利用者の中に、重度のパーキンソン病の方がおられます。まだお若いのですが、体はカチカチにこわばっており、表情もほぼありません。感情のコントロールも上手くいかず、何が原因か、突然「わーーーん」と大声で泣きだされます。かかりつけの専門診療科の先生曰く「入院のレベル」だそうです。
ある日、ご家族に「入院して、どのような治療を受けられるのですか?」と尋ねてみました。ここまで進行した症状に、どのような治療やリハビリがなされるのか、専門職としての興味もありました。「この先、そう遠くない将来、腕も足も内側に巻き込んだような変形、拘縮が伴い、歩くことはもちろん、口から物を食べる事さえもままならなくなります。進行は仕方のないことで、その時の状態に合わせて生活支援していくそうです」とのご家族の返答でした。
「ん?じゃぁ、入院せんで良くない?」とっさに出た私の気持ちでした(^^; どこで生活しようとも、体の変形、拘縮が進むのなら、ここ(ばんざい)で生活しながらその時々で対応を検討していきませんか?」と、ご家族にご提案しました。
今日もスタッフに両脇を抱えられ、ご自分の足で歩きながら移動しているFさん。
「わーーーん(ノД`)・゜・。」と泣けば、周りのおばぁちゃま達が手を擦ったり、「泣かんでよかよ」と声をかけてもらっているFさん。そして私は知っている・・・泣いているFさんに「泣かんでよかとよ」と言いながら小さなチョコをポイとお口に入れている主任の姿を・・・( *´艸`) ほとんど言葉を発すことができないFさんですが「泣かんでよかよ」と主任が言えば「はい」と返事されたり、泣いている後ろから主任が近づけば「来た来た・・・」と呟くFさん。
去年、入院の話が出た時に慌てて入院せず、できる事をできる範囲でお手伝いしながら今に至ります。ご利用者が患う病気と、いかにお付き合いしていくか。これからも、もちろん抱え込みすぎず、♪やれるだけ頑張ってみるよ。つまりは単純に君の事すきなのさぁ♪(セロリより)