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施設長のひとりごと

施設長のひとりごと

大切な教えと、幸せな別れ

2024-12-27
 私事ですが、先日父が死去いたしました。大きな病気が見つかり約半年。たった半年ですが、色々と内容の濃い半年でした。
 治療や入院を一切受けず、自宅で過ごしたい父と、治る見込みはなくても、少しでも病の進行を遅らせられたらと、いちるの望みをかけて治療を勧める、私を含めた家族。結果的に嫌々ながらも、父は、私たち家族の気持ちに沿って治療を受けてくれていました。
 一週間治療を受けたら、2週間は自宅に戻るといったスパンで治療が始まりました。始めた頃は、もちろんまだまだ元気で、愚痴も文句も言えるくらい活気がありましたが、時間の経過とともに状態が落ちていく父を見ながら、私はだんだん切なくなっていました。動くことも、食べることもきつくて、ほとんど寝て過ごすようになった父。昔から強気で、建設業の仕事一筋にやってきた、そんな父が弱音を吐くようになっていきました。
 亡くなる前日に、父が私に「もうきつい。深い眠りにつかせてくれないか?そのまま、ゆっくり眠りにつきたい」と言いました。「わかったよ。もう、帰ろうね」と伝え、その日一晩、病院に泊まっていた私は夜通し父の背中や足をさすりながら一緒に過ごしました。長年の経験上”もう今日が最期だろうな”と思った私は、朝になって父に「会いたい人はいる?」と聞くと、3人の方の名前を言いました。「ありがとう、と言いたい」と言うので、連絡を取って来ていただき、自分の口から「ありがとう」を伝えることができました。家族も全員集まっており、みんなで手を取り合って父に感謝を伝えました。父も「俺は幸せやね」と声にならない声で囁き、その数十分後に静かに息を引き取りました。
 望んでいた自宅へ連れて帰れなかった罪悪感と、受けたくなかった治療を受けさせた申し訳なさ。色々な思いと共に悲しみが溢れてきて涙が止まりませんでしたが、ただただ、家族全員で父を見送れた事だけが、私たち家族の幸せでもありました。
 これまでも、ばんざいでたくさんの方の最期に立ち合い、経験を積ませていただきました。そのおかげで、私は家族と共に、父の看取りができたと思っています。ばんざいを立ち上げる際も、父は賛成してくれ、建築の過程でも色々と手伝ってくれました。父には感謝しかありません。父との経験もまた、今後の私の糧にします。
「お父さん、最期まで私に大切な事を教え、感じさせてくれてありがとう。ゆっくりと休んで下さいね。」

施設長のひとりごと
ケア付有料老人ホーム ばんざい
〒841-0073
佐賀県鳥栖市江島3388-1
TEL.0942-83-2286
FAX.0942-84-4506
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