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施設長のひとりごと

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看取っても、なお反省・・・

2024-03-31
 先月から、お看取りの同意を得ていた方を、続けざまに数名お見送りしたある日、私は心身共にクタクタになっていて、久しぶりに口唇ヘルペスができました。悲しみもさておき、他のご利用の対応や、空いたお部屋の新規のご入居者の件で、バタバタとしていたある日。帰りの申し送りで主任がボソッと「あぁ。もっとちゃんと気を張っておかないといけなかった。」と言いました。先日お看取りしたKさんの件です。本当は、巡回の時間ではなかったのですが、なんとなく気になって、最後の排泄介助から15分後くらいに再度、居室へ行った時に最期の呼吸を確認したのです。「十分やってくれたじゃない。もっと言うなら、この17年間いつも寄り添ってくれていたでしょう?むしろ、あそこで気になって巡回していなかったら、次の巡回まで気づいてあげられなかった可能性だってあるのだから、そんなこと言わないで・・・」と声をかけました。
 精一杯看取っても、なお反省・・・。私たちの仕事は、これが最善!これが正解!というものがありません。「本当にこれでよかったのかしら・・・」「もっとこうあるべきではなかったのかしら・・・」そんな日々なのです。
 私は、「最期の瞬間に一人で逝かせたくない。誰かが一人でもその瞬間に傍にいてあげたい」と常々スタッフに言っています。スタッフもそれを理解してくれ、足しげくお部屋に通ってくれています。そうしながら、お看取りに関わり、その方の長い人生の終わりに立ち合わせていただいています。反省ではなく、振り返りとして、次に繋げていきたいと思っています。
 

17年の軌跡

2024-03-24
 私がばんざいを開設したのは平成19年5月です。あれから丸17年が過ぎました。その開設時からご入居いただいていたkさん。気が強くて、お酒が大好きな女性でした。ご入居当初は、Kさんもまだお若く、活気もやる気も満々でした。気の合わない他のご利用者とは、よくケンカもされていて、私と主任で何度仲裁に入ったか分かりません・・・(^^;
ちょうど開設した2ケ月前に長男を出産した私は、毎日、子連れで仕事をしていました。首も座らない息子を、「あ、電話!!Kさん、ちょっと抱っこしてて下さい」なんて言いながら、一緒に過ごしてきました。
 そんなKさんともついにお別れに日がきました。これまでもたくさんの方々と、ここでお別れをしてきましたが、「Kさんとのお別れは、きっとひどく喪失感に苛まれるだろうな・・・」と心の中でいつも思っていましたが、やはり、ばんざいからお身体が出て行く時には涙が止まりませんでした。Kさんのご家族も含め、私にとっては一番最初のお客様であり、家族同然の存在でしたので、家に帰って息子にKさんのご逝去を伝え、家族みんなで手を合わせました。
 Kさん!!17年間、色々な事がありましたね。いつも気持ちが強く、最期までKさんらしかったよ!長い時間、私たちばんざいと共に過ごして下さり、心から感謝します。ありがとうございました。
 

ここよ~

2024-03-20
 お看取りの同意を頂いたご利用者の方が、先日ご逝去されました。血圧が下がって、呼吸が浅くなってきて、「あぁ、今日かな・・。もうすぐかな・・」と、ご家族に連絡を入れる日々。そんな日がしばらく続きました。細く、長く頑張ってくださったFさん。最後の方は呼んでも目が開かず、反応も薄くなっておられました。
 耳だけは最後の最期まで聞こえていると、よく言われます。いつも音楽やテレビをかけたり、足しげく通っては話しかけるスタッフ。反応は薄いけど、何かしらのアクションはやめません。そん中、毎日、毎回、Fさんの部屋に行っては「Fさ~ん。ここよ~。」と瞼を開いて(^^;目を合わせる努力をしていた主任。普段から関りが密で、ご利用者さまとは、だいたいどなたとでも仲良しで、もちろんFさんと大の仲良しでした(認知症でしたので、名前や存在の認識こそありませんが、いつも笑って会話が弾んでいました)
 最期の最期まで、本当に声をかけ続けてくれたスタッフですが、なかなか目は開きません。それでも不思議と、主任とスタッフOさんの声にだけは反応されました。「いつもの人の声だな・・・( *´艸`)」とでも感じて下さっていたのでしょうか。
 主任の「ここよ~」の声が、今でも耳に残って離れません(* ´艸`)クスクス

人 vs 機械

2024-02-22
 佐賀県先進機器導入事業という補助金を受け、この度、見守りセンサーを導入しました。これは、スタッフが居室を巡回する回数を減らし、介護負担の軽減につなげるものです。先進機器とあって、素晴らしい機能がついており、背中に敷き込むことで呼吸数や心拍数、眠りの深さを常時測定してくれます。そして、眠りが浅くなってきたら、設定によってアラームでベッド上の体位や、ベッドから起き上がったことを知らせてくれます。危険のご理解が乏しくなられた方がベッドから転落したり、またはお看取り期の方の状態を手元のタブレットで確認できる代物なのです。
 現在、お看取りの方にはこのセンサーを仕込んでいます。が、なんせうちのスタッフ、殆どが昭和の強者たち。「機械げな、信じられん。自分の目で見らんと!!(機械など、信じられない。自分の目で見ないと!!)」と、今でも足しげくお部屋に覗きに行く始末(^^; 実は私もそれ派ですが・・・。
 ある日、長く長く、本当に長くばんざいにご入居いただいていたアイ子さんの最期の日を迎えました。もちろん、この方にもベッドセンサーを敷き込んではいましたが、朝でもあり、私も含め、すでに数名のスタッフが居室に駆け込んでいました。そして、”あ、もう最期です・・・”と、アイ子さんを抱いたようにして「アイ子さん、息子さんも来られるよ。もう少しだけがんばれる?」「今までよくがんばったね」と懸命に声をかけていた主任が最期の呼吸を確認しました。仕事に行かれていたご家族は、すぐには駆け付けられず、最期の瞬間には立ち会えませんでしたが、アイ子さんは主任と私の腕の中で、私たちの声を聞きながらお別れされました。
 ご家族が「最期には間にあえなかったけど、施設長さんたちが傍にいてくれたから、母も安心して逝けたと思います」と言って下さいました。
 つくづく、人の手の温もりの大切さ、人の目の正確さを感じました。先進機器は、あくまでも私たち人間の補助的役割です。便利ではあるけれど、やはり人間に勝るものではないと思っています。
 そして今日も、足しげく各居室を巡回する、日勤、夜勤のスタッフのみんなよ、あなた達の目や手に感謝です(ノД`)・゜・。
 15年間もの間、ばんざいでお過ごしいただいたアイ子さん、一緒に支えて下さったご家族様、ばんざいでの日々に心より感謝いたします。

強すぎる不安に与える、一瞬の安心

2024-01-31
 長くお住まいいただいている、とある女性のご利用者がおられます。この方、とにかくいつも、何かにつけ不安でいっぱい。入居されたころは、今日が何月何日で、朝食は何時で、昼食は何時で、夕食は何時で、明日の朝は起こして欲しい・・・このような日時についての訴え?お願い?質問?を、とにかく目に付くスタッフには、あちらのスタッフにもこちらのスタフにも聞いて回っておられました。年々、不安な内容は変化しており、今はもっぱら「この服でいい?」かが心配のご様子。大袈裟でもなんでもなく、一日に何百回「この服でいい?」と、行き交うスタッフに尋ねて回っておられます。「この服でいい?」「いいですよ」この会話、スタッフは寝言でも言ってるんじゃないかと思うほど、毎日毎日、当たり前に交わされているわけです。
 先日、うちの主任がこの方に「ねぇねぇYさん。私、この服でいい?」と尋ねてみたそうです。すると、この方は「知るもんね。自分がいいと思う服を着たらいいやんね。(知らないよ。自分がいいと思う服を着たらいいじゃない)」と返されたそうです。認知症の診断がでているこの方、他人に対してはすごく真っ当なご判断ができておられます。そうなんです。その通りなのです。自分がいいと思う服を着ればいいのです。でも、ひとたび自分の中で不安のスイッチが入ったら、もう止まりません。
 認知症と一言で言いますが、私の中では到底一言では表したくない病気です。病気と捉えてしまうと、なんだか大層良くない状態に聞こえるので、なるべく私は「認知症」という言い方で表現しないようにしています。Yさんで言うと「不安の強すぎる方」かな(^^;
 今日もまた、この服でいいか、このズボンでいいか、不安で仕方ないYさんに決して「知るもんね!」とは言わず「大丈夫よ」「それでいいよ」と返事をし、その一瞬でも「この服でいいんだ!!」と安心を与えてあげるスタッフに「何百回も、同じやり取りを、ありがとうね」と心の中で感謝したところでした。
施設長のひとりごと
ケア付有料老人ホーム ばんざい
〒841-0073
佐賀県鳥栖市江島3388-1
TEL.0942-83-2286
FAX.0942-84-4506
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