本文へ移動

施設長のひとりごと

施設長のひとりごと

RSS(別ウィンドウで開きます) 

コロナ感染の脅威

2024-07-12
 ばんざいでは、6月に入ってすぐ、世の中で「新型コロナウイルス」という感染症が拡大し始めてから2回目のコロナ感染が確認されました。前回は、パンデミック真っ只中の令和4年。
 きっかけは「いつもと違う」というスタッフの声。何が?と聞いても何と言うわけではなく、ただ”いつもよりご飯を食べるスピードが遅い・・・”とか、”いつもより体がやや左に傾いてる”・・とか、その程度の違いの発見からでした。
 ばんざいでは疑わしきは検査!!が暗黙のルールです。熱も鼻水も咳もないけど、抗原検査をしたところ悲しいかな陽性。その気づきから一気に検査をしまくって、4人の感染者を確認しました。そこから約2週間の間に、一人、また一人と他のご利用者やスタッフに感染が広がりました。そのスピードと感染力の強さを改めて実感。5類になったからガウンはいらないと言われていますが、簡易な予防策なんて、とてもじゃないけど通用しません。隔離して、しっかりと予防具を身に着けて、うがい、手洗いを徹底しました。
 初めてクラスターを経験した令和4年の、あの悪夢がよみがえり、今回も、再び心身がクタクタになりました。無症状の方、倦怠感が強くなかなか体力が戻らない方、なかなか陰性が確認できない方。その症状や後遺症も様々で、本当にてんてこ舞いの1ヶ月でした。
 国民が皆こぞってマスクをしていた頃が懐かしいほど、殆どマスク姿を見なくなりました。だからこそ、より一層注意が必要な私たちです・・・。今後も感染予防に努めます、としか言いようがありません(-_-;)

富士子ロス

2024-06-28
 富士子さんという利用者がおられます。富士子さんは以前もブログでご紹介した、パーキンソンの進行が見られる方です。
 富士子さんは、話しかけられてれていることも、今から何をしようと声をかけられている事も、分かってはおられます。ただ、それに対する返事や反応が上手くいかないのです。感情表現が上手くいかず、よく大きな声でわんわん泣かれています。そんな富士子さんだから、周りのおばあちゃまたちは、いつも富士子さんに「富士子ちゃん!!泣かないでいいよ」「富士子ちゃん、頑張ってね」「富士子ちゃん、私たちがおるよ」こんな風に、富士子さんより遥かにお年が上のおばぁちゃま達が、なにかと声をかけお世話を焼いてくれていました。それは、もう、役割であるかのような毎日の光景です。
 そんなある日、富士子さんが体調を崩し、入院されてしまいました。ぽつんと空いた富士子さんの席に、
なんだか寂しさが漂っています。そして、日を追う事に気づいたことがあります。同じテーブルのおばあちゃま達が「富士子ロス」になっているではありませんか!!(;゚Д゚) 「富士子ちゃん、どこに行ったの?」「富士子ちゃん、まだ戻ってこないの?」と
いなくなった富士子ちゃんを気遣う声が、いつも聞こえてきます(*^_^*)
 空いたお席は、そのままにしています。時々スタッフが座って、みなさんとおしゃべりしているようです。そんな時は、一番気にかけてくれていたKさんが「あ!!富士子ちゃんだ!!」と笑って冗談を言うそうです。
 お互いに、何かをし合っているわけでもないし、富士子さんが周りの方々に対して何かを言うわけでもなかったのですが、自然とできたこのコミュニティの中で、温かい絆が生まれていたのですね。感情表現も上手くできず、目もあまり合うことはない、おしゃべりも全くできなかった富士子さんですが、その存在は偉大です。早く帰って来てね!!みんなで待ってます・・・。

武田建三先生 様

2024-06-20
 ばんざいを開設した時から、協力医療機関として武田内科医院にご協力いただいています。当時は、ブログでもご紹介した事のある武田典夫先生が担当してくださり、いつもいつでも快く相談に乗ってくださったり、駆け付けて下さっていました。
 時は流れ、一昨年から建三先生へバトンタッチされ、今に至ります。私は、これまた建三先生が大好きです。ご利用者の件で相談すると、とても親身になってこちらの話を傾聴してくださいます。往診日ではなくても、心配な方がいたら典夫先生同様、ひょっこり現れては「様子を見に来ましたよ」と笑顔。何よりありがたいのは、その気さくさです。
 実は、定期的にショートステイを利用されている、とあるおじぃちゃまがおられますが、この方、なかなかの強者・・。帰宅願望が強すぎて大声を挙げたり、エレベーターのドアを「開けろ!!」とバンバン叩いてはスタッフ皆を困らせます。日々、おしっこのバルーンパックを提げての徘徊です。危ないし、他の方も委縮してしまい、この方のご利用日はスタッフも含め皆がソワソワしています。そこで、私は建三先生にお願いしてみました。「先生の患者様でもないけれど、”おしっこ管(バルン)交換でここに来ています。検査結果が出るまでは頑張って辛抱して泊っていてください”と声をかけてくださいませんか?」と、お願いしてみました。すると本当に快く「いいですよ!!」と言って、それから毎回、先生がばんざいに来られる度に、この方がショート利用中であれば必ず声をかけて下さるようになりました。この方も「おぉ、先生が言うなら辛抱します・・」と納得もされます(長続きはしないけど(^^;))
 こんな無理で、あり得ないお願いを、いともあっさり受け入れて下さり、ご利用者のためにひと肌脱いでくださる建三先生が、私は大好きなのです( *´艸`)
※先生の許可を得て、お写真掲載します♪
 

高品質に泣かされる

2024-05-14
 もうそろそろ、『布パンツに小さめの尿失禁パッド』を卒業し、紙パンツ、若しくは大き目の尿取りパッドに移行したい方がおられます。この移行する時が難しい(^^; その必要性があり、説得にかかりますが「いいや。私はそんな物は必要ない。漏れないし、漏れたこともない」と大体の方がまずは拒否、いや、拒絶されます。その時は納得されても、翌日はまた布のパンツにお着替えされていたりして・・・。無下に布パンツを回収すると混乱につながるので、本当に時間をかけて説明と説得を繰り返していきます。
 昨日もスタッフが「今、使っている軽失禁用では漏れを防ぐことができず、やっぱり今日もおしっこが漏れててズボンまでしみていました。でもご本人はパッドいっぱいにおしっこが漏れている事に気づいておられなくて・・・」と悩んでいました。今の排泄用品はとにかく性能が良く、漏れない!臭わない!が当たり前です。家で、まだご自分で頑張っている方や介護をされるご家族にとっては、とても助かる高品質です。しかしながら、我々、施設の者からいうと、良すぎて困る(;^_^A その人自身、おしっこがちょび漏れしている事が分からないので、スタッフが声をかけても拒否されてしまいます。なんとかトイレにお連れできても「え!!濡れてる?これ?」と濡れている事実にも、なかなか気づけないのです。濡れているという自覚がないから、当然「紙パンツなんて必要ない」となりますよね。
 「家で家族が介護している用~安心パッド~」
「施設で移行期にある方用~そろそろ履いてみませんか?~」に分かれてたらいいのにね・・・なんて言いながら、なんの慰めにもなりませんが「明日も説得頑張れ!」と励ましておきました(´艸`*)

病気との向き合い方

2024-04-20
 ご利用者の中に、重度のパーキンソン病の方がおられます。まだお若いのですが、体はカチカチにこわばっており、表情もほぼありません。感情のコントロールも上手くいかず、何が原因か、突然「わーーーん」と大声で泣きだされます。かかりつけの専門診療科の先生曰く「入院のレベル」だそうです。
 ある日、ご家族に「入院して、どのような治療を受けられるのですか?」と尋ねてみました。ここまで進行した症状に、どのような治療やリハビリがなされるのか、専門職としての興味もありました。「この先、そう遠くない将来、腕も足も内側に巻き込んだような変形、拘縮が伴い、歩くことはもちろん、口から物を食べる事さえもままならなくなります。進行は仕方のないことで、その時の状態に合わせて生活支援していくそうです」とのご家族の返答でした。
「ん?じゃぁ、入院せんで良くない?」とっさに出た私の気持ちでした(^^; どこで生活しようとも、体の変形、拘縮が進むのなら、ここ(ばんざい)で生活しながらその時々で対応を検討していきませんか?」と、ご家族にご提案しました。
 今日もスタッフに両脇を抱えられ、ご自分の足で歩きながら移動しているFさん。
「わーーーん(ノД`)・゜・。」と泣けば、周りのおばぁちゃま達が手を擦ったり、「泣かんでよかよ」と声をかけてもらっているFさん。そして私は知っている・・・泣いているFさんに「泣かんでよかとよ」と言いながら小さなチョコをポイとお口に入れている主任の姿を・・・( *´艸`) ほとんど言葉を発すことができないFさんですが「泣かんでよかよ」と主任が言えば「はい」と返事されたり、泣いている後ろから主任が近づけば「来た来た・・・」と呟くFさん。
 去年、入院の話が出た時に慌てて入院せず、できる事をできる範囲でお手伝いしながら今に至ります。ご利用者が患う病気と、いかにお付き合いしていくか。これからも、もちろん抱え込みすぎず、♪やれるだけ頑張ってみるよ。つまりは単純に君の事すきなのさぁ♪(セロリより)
























施設長のひとりごと
ケア付有料老人ホーム ばんざい
〒841-0073
佐賀県鳥栖市江島3388-1
TEL.0942-83-2286
FAX.0942-84-4506
0
2
2
2
5
7
TOPへ戻る